5Gは高精細な映像の送信にとどまらず、離れた場所に映像を遅延無く届けられる。情報のやりとりの遅れが重大事故につながる医療や建設現場に適用できるとみて現場に取り込もうとする動きがある。


5G 実用化に向けた取組

コード 企業・団体 内容
9201 日本航空 遠隔地にいる整備士とリアルタイムで伝送
8433 KDDI
9437 NTTドコモ 遠隔医療に適用
1802 大林組 建機を遠隔操作 大成建設やコマツも
9474 ゼンリン 自動運転車への地図情報の送信技術
- 総務省 地方の課題を解決する実証実験を2019年度から開始


【日本航空 KDDI】
航空機の整備の際にヘルメットに4Kカメラを搭載。遠隔地にいる整備士にリアルタイムで伝送。熟練した整備士は映像を見ながら整備が必要な箇所を画面上でタッチペンで入力。現場の整備士のメガネ型端末にリアルタイムで伝える。経験の少ない整備士でも的確な整備ができる。また、整備士不足にも対応する。


【NTTドコモ】
東京女子医科大学と組んで遠隔医療に適用する方針。経験豊かな医師に手術部位の拡大図や電気メスの状態などを高精細カメラで撮影した映像を送信。医師は出張先や移動先でも映像を遅れることなく見ることができるという。


【大林組】
NECなどと連携し、遠隔地から建機を操って工事したり、災害復旧したりする技術を検証。

建設現場では人手不足が深刻で、建機の無人遠隔操作への期待が大きい。大成建設やコマツなども実証実験をしている。


【ゼンリン】
富士通などと自動運転車への地図情報の送信技術で取り組み。


【総務省】
5Gの技術で高齢化や人手不足など地方の課題を解決する実証実験を2019年度から開始。公共交通機関の縮小・廃止が進んだ地域で、自動運転技術を使った交通網を整備し、高齢者らの移動手段を確保する。高精細の画像を使った遠隔医療もやりやすくする。

IoTでは、担い手不足の農業で作物の育成を効率良く管理したり、地盤の推移の動きを瞬時監視して、減災に役立てることも想定している。山間地などでは遅れている光ファイバーを敷設し、最適な通信環境の整備を急ぐ。

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