政府は、ロケット打ち上げなど宇宙ビジネスへの民間参入を拡大するため、必要な技術項目を示す安全審査基準を作る。今後、単独で事業化を目指す民間企業が増えるとみて、ロケットの飛行や打ち上げに関わる施設・計画、人工衛星の構造などに関わる安全基準を規定。2017年11月に一部施行する宇宙活動法に基づき、ロケット打ち上げを許可する条件として運用する。2018年11月以降の打ち上げを計画する企業の申請を受け付ける。
これまで民間企業向けの統一基準はなかった。基準ができることで、企業は自社の持つ技術や体制をどう強化すれば宇宙ビジネスへの参入が可能になるかという道筋をつけられるようになる。安全を確保する技術水準を明示することで、参入を目指す企業の負担を減らす。
ロケットの安全基準では、人工衛星を打ち上げる飛行能力を持っていることや、飛行時に地上や海上の安全が確保できない場合、飛行を中断する機能を持つことを求める。ロケット打ち上げに関わるスタッフに安全対策の教育・訓練を施すことや、事故など緊急時に迅速に対応できる体制作りも示す。人工衛星の安全基準では、燃えがらなどが飛び散りにくい構造を持つ機器の使用や、他の人工衛星とぶつかる可能性がある場合に事前に情報を集め、衝突を避ける措置を取る機能を要求する。