国土交通省は、2016年6月17日、自動車のバックミラーやサイドミラーの代わりにカメラとモニターで視界を確認する「ミラーレス車」の製造を認めると発表。保安基準を改定し、6月18日から施行されることから電子ミラーの関連銘柄に注目が集まっている。

電子ミラーとは、自動車のバックミラーやサイドミラーを車載カメラの映像で代替させるもの。市光工業は、仏ヴァレオと共同開発。2018年の量産開始を目指す。村上開明堂は、2018年度に量産を開始。モルフォとデンソーは、ディープラーニングを利用した電子ミラーを開発。パナソニックは、サイドミラーで世界シェア20%のフィコサと電子ミラー事業の早期立ち上げを目指す。

以下、電子ミラー関連企業の動きをまとめた。


電子ミラー関連企業の動き

企業 内容
市光工業 仏ヴァレオと共同開発。2018年の量産開始
村上開明堂 2018年に量産を開始。2025年にミラー生産の10%を電子ミラーに切替
モルフォ ディープラーニングを利用した電子ミラーを開発
デンソー
パナソニック サイドミラー世界シェア20%のフィコサと電子ミラー事業を早期立ち上げへ


【市光工業】
市光工業と仏ヴァレオは車載用電子ミラーを共同開発。市光工業はカメラを組み込んだ電子ミラーの外装部品の開発を担当。仏ヴァレオはカメラの映像と車内の映像モニターの情報を統合するシステム開発などを担当する。2018年の量産開始を目指す。


【村上開明堂】
2016年6月、電子ミラーを開発。サイドミラーなど4カ所にカメラを取り付け、カメラで撮った画像を社内のモニターで表示するシステムで、2018年度に量産を開始する。2025年度にミラー生産の10%超を電子ミラーに切り替える計画。

村上開明堂は自動車用バックミラーで国内シェア40%、世界シェア7%を持つ。


【モルフォ・デンソー】
モルフォとデンソーは、2015年12月に資本業務提携。ディープラーニングを利用した画像認識技術を使用し、自動車の電子ミラーを開発する。モルフォは、デンソーとの資本提携で調達する約12億円のうち、9.5億円を車載機器向け応用技術の研究開発に充当する。期間は2016年1月から2020年12月としている。


【パナソニック】
2014年9月、自動車サイドミラーで世界シェア20%のスペイン・フィコサ社の株式49%を取得すると発表した。出資額は200億円~300億円。完了は2015年3月末。パナソニックが持つ映像技術とフィコサが持つミラー技術を融合し、電子ミラー事業の早期立ち上げを目指す。