米財務省は、2016年4月29日、貿易相手国の通貨政策を分析した為替報告書で、日本、中国、ドイツ、韓国、台湾を監視リストに指定した。日本、中国、ドイツ、韓国は貿易収支や経常収支の対米国の黒字額が巨額なこと、台湾は介入の規模が大きいことを指摘した。米当局は監視リスト国がさらに不当な通貨の切り下げなどに動いた場合は是正を求め、最終的には大統領の権限で政府調達停止などの措置がとれるとしている。

オバマ政権はTPPの大筋合意を受けて、貿易相手国の通貨政策を監視し、対抗卒がとれるよう法制度を強化した。

なお、米国が制裁に動く条件として、対米貿易黒字が年200億ドル超、経常黒字がGDPの3%超、一方的な為替介入による外貨買いがGDPの2%超の全てに抵触することを掲げている。日本は2つに抵触するが、3つ目には抵触しない。