政府は、2016年3月30日、訪日外国人旅行者の増加目標を決めた。訪日外国人数を2020年に4000万人、2030年に6000万人。訪日観光客の消費額を2020年に8兆円、2030年に15兆円に増やす。

中国、フィリピン、ベトナム、インド、ロシアの重点5カ国を対象にビザ発給要件を緩和する。また、ホテル不足などから、民泊の普及に向けた規制の見直しや主要観光地で2020年までにクレジットカード100%対応、北海道の国管理空港などの民営化も視野に、民営化による地方空港の活性化などで訪日客を地方に誘導するインフラ体制を整える計画。

政府はこれまでの成長戦略で、訪日外国人数を2000万人、訪日外国人の消費額を2030年に4.7兆円に増やす目標を掲げていたが、大幅に引き上げる。


訪日外国人の拡大目標

【訪日外国人数】

  2015年 2020年 2030年
訪日外国人数 1973万人 4000万人 6000万人


【訪日観光客の消費額】

  2015年 2020年 2030年
消費額 3兆4771億円 8兆円 15兆円


2015年までの訪日外国人数の推移

2015年は47%増の1973万人。円安を追い風に増加。韓国は45%増の400万人、台湾は30%増の367万人、中国は2倍の499万人だった。中国は2015年1月に有効期間中に何度でも訪日できる「数次ビザ」の発給要件を緩和したことも寄与した。

2014年は34%増の1467万人。韓国は23%増の302万人、台湾は25%増の300万人、中国は86%増の285万人だった。東南アジアを中心にビザ発給要件を緩和。2014年10月からは消費税免税制度を拡充した。

  2014年 2015年
訪日外国人 1467万人 1973万人
韓国 302万人 400万人
台湾 300万人 367万人
中国 285万人 499万人