オムロンは、2020年に売上高1兆円以上、営業利益率15%以上を目標としている。2014~2016年ではいかなる事業環境でも自らの力で成長できる「自走的な成長構造」を確立させる。

成長力では、中華圏やASEAN諸国、インド、韓国での成長やイノベーションによる新規事業の加速、買収・提携を含めた外部との連携を進める。収益力では、ROICやROEを意識し、利益率を向上させる。変化対応力では、事業ポートフォリオマネジメントを強化し、成長事業への経営リソースをシフトする。


経営計画

  2014年 2016年 2020年
売上高 8473億円 9000億円 1兆円
営業利益率 10.2% 10% 15%


成長投資・株主還元への期待感

オムロンは有利子負債を徐々に削減。2011年に187億円あった有利子負債を2014年には0にした。有利子負債の返済に回っていた1年間の利益が、2014年には有利子負債が0になったことで自社株買いに回った。今後は、成長投資や株主還元に資金が充当されることが期待される。

  2011年 2012年 2013年 2014年
フリーキャッシュフロー 54億円 245億円 479億円 375億円
有利子負債 187億円 55億円 4億円 0億円
配当 61億円 81億円 116億円 155億円
自社株買い 0億円 0億円 1億円 150億円

 【配当性向目標】
2014年の25%から2015年は30%に引き上げる。


オムロンの主な投資行動

国内では、100億円を投資し、画質が高いスマートフォンの基幹部品製造に必要な精密金型の新工場を設立。生産能力を2017年までに2倍に拡大する。インドネシアでは、2020年までに100億円以上を投資し現地工場を増設。車載部品の生産をタイなどから移管する。中国では、2016年までに100億円を投資し、高性能スマートフォンの期間部品を増産。ブラジルでは、2014年10月に呼吸器系疾患の治療装置「吸入器」が主力のNS社の株式100%を約100億円で取得した。

投資対象 投資額 期間・完了
国内でスマホの基幹部品製造に必要な精密金型新工場 100億円 2017年まで
インドネシアで車載搭載スイッチ部品などの生産設備増強 100億円 2020年まで
中国3工場で高性能スマートフォンの基幹部品を増産 100億円 2016年まで
ブラジルの吸入器企業を買収 100億円 2014年10月


オムロンの業績推移

  売上高 営業利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2015年(予) 9000億円 900億円 665億円 - - -
2014年 8472億円 865億円 621億円 4920億円 7110億円 68.9%
2013年 7729億円 680億円 461億円 4327億円 6547億円 65.8%
2012年 6504億円 453億円 302億円 3687億円 5736億円 64%
2011年 6194億円 401億円 163億円 3216億円 5373億円 59.7%