日本写真印刷の2015年~2017年の経営計画。主力のスマートフォンやタブレット端末向けタッチパネル以外の新規市場を開拓。自動車や家電、医療など成長市場向け事業や製品を拡充する。350億円のM&A枠を設定。新事業・新製品売上高比率を2014年の5%から2017年には35%に引き上げる。
日本写真印刷の経営計画
2014年 | 2017年 | |
売上高 | 1187億円 | 1500億円 |
営業利益 | 87億円 | 120億円 |
ROE | 19.7% | 10%以上 |
ROIC | 6.6% | 8%以上 |
新事業売上高比率 | 5% | 35%以上 |
350億円のM&A枠の活用
2015年7月17日、ベルギーのARメタライジンググループの全株式を取得すると発表した。投資額は約160億円。買収時期は2015年8月上旬。
ARは蒸着紙メーカー。蒸着紙は絵柄や文字の印刷や凹凸加工がしやすいように薄い紙とアルミ箔を張り合わせたもので、ARの世界シェアは約40%を占める。ARは、ベルギーの他、イタリアやアメリカに生産拠点を有し、世界80ヶ国、約300社の印刷会社やコンバーターに製品を提供。飲料品や食品、日用品などの商品ラベルやパッケージに採用されている。
日本写真印刷は、今後ヨーロッパや北米などの先進国市場では最終製品の差別化要素として外装パッケージの重要性が高まること。南米、アメリカ、東南アジアなどの新興国市場では経済成長することで、製品需要の高まりが期待されるとしている。
投資額 | ARの業績推移 | |||
2012年 | 2013年 | 2014年 | ||
160億円 | 売上高 | 55億円 | 158億円 | 147億円 |
純利益 | ▲6.3億円 | 1.3億円 | 0.2億円 | |
純資産 | 4億円 | 5.1億円 | 6.8億円 | |
総資産 | 124億円 | 128億円 | 123億円 |
資金調達
2016年2月18日、2021年満期ユーロ円建て新株予約権付き社債(CB)で200億円を調達すると発表。120億円をARメタライジンググループの株式取得で行った金融機関からの短期借入金返済に、残額はM&A枠の一部に充当する。
項目 | 内容 | |
CB | 発行額 | 200億円 |
転換価額 | 2209円 | |
株価 | 2064円(2016年2月18日) | |
潜在株式比率 | 21.1% | |
充当 | 120億円 | AR社買収での短期借入金返済 |
残額 | M&A枠 |
日本写真印刷の業績推移
売上高 | 経常利益 | 純利益 | 純資産 | 総資産 | 自己資本比率 | |
2015年(予) | 1190億円 | 89億円 | 75億円 | - | - | - |
2014年 | 1187億円 | 124億円 | 112億円 | 663億円 | 1154億円 | 57.4% |
2013年 | 1109億円 | 51億円 | 39億円 | 516億円 | 1061億円 | 48.7% |
2012年 | 894億円 | ▲46億円 | ▲54億円 | 444億円 | 1149億円 | 38.7% |
2011年 | 801億円 | ▲113億円 | ▲286億円 | 489億円 | 1052億円 | 46.5% |