星光PMCは、製紙用薬品の技術を応用して、セルロースナノファイバーの表面を改良する技術を保有。自動車部品向け樹脂への活用が期待されている。なお、2013年からサンプル出荷を開始。2014年11月には経済産業省の助成を受けたセルロースナノファイバーのパイロットプラントが稼働を開始。セルロースナノファイバーの実用化を目指した本格的なサンプル供給体制が出来上がった。2017年末には実証生産設備を従来の3倍にあたる年間70トン強に引き上げるもよう。
また、日本経済新聞によると、星光PMCも参加している日本製紙や京都大学ら研究グループは、従来の10分の1のコストでセルロースナノファイバーを量産できる技術を開発したもよう。自動車部品に使う場合の最終コストは、1キログラムあたり1万円程度から1000円程度に下がるという。競合する炭素繊維は3000程度としていることから、新技術の開発によりコスト面での不利が解消される見通し。
京都大学は、試験装置を学内に設置。2018年に商業化に向けた技術を確立。その後、企業などに技術を移して本格生産するとしている。
星光PMCのセルロースナノファイバー
年月 | 内容 |
2017年末 | 実証生産設備を3倍に増強 |
2014年11月 | パイロットプラント稼働 |
2013年 | サンプル出荷を開始 |
セルロースナノファイバーの製造コストが10分の1に
項目 | 内容 |
自動車部品用 | 1万円→1000円 |
実用化 | 京都大学は2018年に技術を確立 |
星光PMCの主要株主
コード | 企業 | 保有割合 |
4631 | DIC | 54.5% |
政府のセルロースナノファイバーの動き
【経済産業省】
加工性を高める新技術の実証実験を開始。国の委託事業として新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)を通じて資金を全額拠出する。
【文部科学省】
セルロースナノファイバーを応用した化成品の製造工程全体を効率化する技術開発を開始。2015年度から着手し、5年で実証段階入りを目指す。温室効果ガスの削減効果が大きい技術の創出を目的とする「先端的低炭素化技術開発(ALCA)」の新規プロジェクトとして研究に着手。文部科学省は2015年度予算の概算要求に、ALCA全体の研究開発費として69億円を盛り込んだ。
2014年 | 2015年 | |
ALCA研究開発費 | 57億円 | 69億円 |
星光PMCの業績推移
成長に向けた基本戦略として、海外展開と事業領域の拡大を掲げ、中国や東南アジアへの販路を拡大。M&Aも視野に入れた新規事業軸の構築に取り組む。
売上高 | 経常利益 | 純利益 | 純資産 | 総資産 | 自己資本比率 | |
2017年(予) | 242億円 | 21億円 | 17億円 | - | - | - |
2016年 | 243億円 | 23億円 | 17億円 | 216億円 | 301億円 | 71.8% |
2015年 | 245億円 | 13億円 | 10億円 | 203億円 | 289億円 | 69.7% |
2014年 | 239億円 | 5.2億円 | ▲0.1億円 | 199億円 | 290億円 | 67.9% |
2013年 | 167億円 | 9.2億円 | 6.2億円 | 201億円 | 278億円 | 72.2% |
2012年 | 211億円 | 12億円 | 7.2億円 | 198億円 | 266億円 | 74.4% |
2011年 | 227億円 | 11億円 | 3.4億円 | 193億円 | 264億円 | 73% |
2010年 | 228億円 | 16億円 | 10億円 | 193億円 | 261億円 | 73.9% |
※2013年度は決算期変更に伴う9ヶ月決算
【経営計画】
項目 | 2015年 | 2018年 |
売上高 | 287億円 | 350億円 |
営業利益 | 18億円 | 35億円 |
海外売上高比率 | 10.8% | 20% |
新規事業売上高比率 | 15% | 10% |