米中間選挙が2014年11月5日に開票され、野党の共和党が上院で過半数を奪還し、上下両院を制した。議会の主導権が共和党に移り、共和党が協力しない限り法案は成立しない。また、条約の批准や政府高官、大使らの人事も承認されない。オバマ大統領は大統領令や拒否権を発動できるが、対立が深まり、議会が機能不全に陥る可能性がある。
オバマ大統領は共和党に強調を呼びかけ。共和党トップのマコネル院内総務は、強調に前向きに応じる姿勢を示した。TPPや税制改正などの政策を挙げ、前進させる考えも示した。
オバマケア(医療保険制度改革)では、政権側は低所得者も含む実質的な国民皆保険を目指す方向性を堅持。オバマケアの根幹を骨抜きにするような法案に対してオバマ大統領は拒否権を発動する考え。共和党は医療保険制度による財政膨張を批判している。イスラム国対応に対する米地上部隊派遣の是非や歳出削減圧力を強める予算編成でも共和党と協調を模索する考え。一方、移民改革では年内に大統領令を出す意向。一部の実現を目指す。
オバマ政権 中間選挙後の政策課題
民主 | 共和 | |
オバマケア | 実質的な国民皆保険 | 医療保険料の補助による財政膨張を批判 |
TPP | 反発 | 主導権 |
金融規制改革 | 金融規制改革法の実現 | 具体化阻止 |
イスラム国 | 地上部隊の派遣の是非 | |
エボラ出血熱 | 西アフリカからの入国禁止も | |
移民制度改革 | 法案頓挫。大統領令で一部実現 |