キヤノンは2015年度に売上高5兆円以上、営業利益率20%以上、純利益率10%以上、株主資本比率75%以上を目指している。市場が急成長しているネットワークカメラシステム事業を抜本的に強化。オフィス分野ではオセ社の統合をテコに大手顧客の獲得を加速。コンシューマー分野では流通大手の販売網を強化する。中国など新興国では国ごとの事情に即した拡販体制を拡充する。
コストダウン面では、自動機・ロボット生産の応用を加速し、キーコンポーネントを中心に行ってきた内製化を一般部品や金型にも拡大。輸送コスト、為替、税制など総合的視点からもコストリスクを最小化する。成長面では、米欧に研究開発拠点を整備し、日本と合わせて継続的なイノベーションの創出を目指す。また、医療や産業機器分野を次世代事業の柱に育てることを目指す。
経営目標
2015年度 | 経営目標 |
売上高 | 5兆円以上 |
営業利益率 | 20%以上 |
純利益率 | 10%以上 |
株主資本比率 | 75%以上 |
【キヤノンの市場環境】
製品 | 内容 |
オフィス複合機 | カラー機を中心に緩やかな拡大 |
一眼レフカメラ | 日本は堅調。欧州・新興国は景気低迷で厳しい |
コンパクトデジカメ | スマホ普及で低価格モデルを中心に縮小 |
インクジェットプリンター | アジア地域を中心に縮小 |
半導体露光装置 | 需給バランス改善で設備投資が回復へ |
フラットパネルディスプレイ露光装置 | 中小型・大型パネル向けとも回復へ |
買収で新事業 次の経営の柱を育成
キヤノンは2020年までにM&Aに最大4000億円を投じる方針。対象はロボットや生命化学など、デジタルカメラや事務機に続く経営の柱に育成。新規事業で2020年に売上高1兆円を目指す。
項目 | 内容 |
投資額 | M&Aに4000億円 |
売上高 | 2020年に新規事業で1兆円 |
参考
・光学技術やセンサー技術を使ってB2C(消費者向け事業)から複合機などB2B(企業向け事業)に軸足を移す。売上高に占めるB2B比率は60%、B2C比率は40%で、B2B比率を70%に高める。景気に急激に左右されず、付加価値の高いものを手がけて安定した成長を求める。
・国内生産比率 45%→60%以上