カーボンナノチューブとは、グラファイト構造の膜又は層がチューブ状をなした超微細なナノテク素材。高分子並みの軽量、機械的強度、導電性、熱伝導性などにおいて優れた特性を持つ素材として注目を集めている。
カーボンナノチューブ関連企業の動き
企業 | 内容 |
アドバネクス | 「HEATNEX」を2018年度以降に商品化 |
積水化学工業 | CNT温度差発電シートを2018年度に製品化を目指す |
日立造船 | 垂直配向性カーボンナノチューブのシートやフィルムを開発 |
昭和電工 | リチウムイオン二次電池向け |
【アドバネクス】
カーボンナノチューブの結晶を含んだ溶液を調製し、それを塗布した個所に電極を接続することで発熱させるカーボンナノチューブヒーター「HEATNEX」を開発。床・壁暖房などの住設、道路の融雪などのインフラ、温室などの農業、電気自動車などの輸送機器、医療、ロボット分野など様々な市場への展開を見込む。2018年度以降に商品化する。
【積水化学工業】
カーボンナノチューブを使って熱を電気に変えるシート「CNT温度差発電シート」を開発。カーボンナノチューブを使った半導体を使い、温度差によって発電し、身の回りの余った熱で発電できる特性を持つ。CNT温度差発電シートは、高温多湿で定期的な交換が難しく、昼夜問わず常時監視の必要な設備のセンサー用電源としての用途を想定。大型商業施設の地下、空調配管、エレベータ、大型倉庫、輸送機器などで、シートの特徴が活かされるという。2018年度の製品化を目指す。
【日立造船】
垂直配向性カーボンナノチューブのシートやフィルムなどを開発。カーボンナノチューブが有する電気特性、熱特性、機械特性などを活かした各種電極やセンサー、放熱部材、電磁波吸収・シールド材、強度補強部材などへの利用が期待される。
【昭和電工】
リチウムイオン二次電池に10年以上の量産使用実績。正極、負極に添加することで、入出力特性、耐久性を改善する。