厚生労働省は消費増税の再延期に伴い、2017年度に計画していた診療報酬の改定を見送る方針。16年度は薬価などで1500億円減らして、社会保障費の伸びを5000億円程度まで削り込んだ。改定見送りで数百億円規模の医療費を抑える機会を失うこととなり、社会保障費の伸びを年5000億円に抑える財政再建目標は達成が一層難しくなる。
診療報酬の改定は原則として偶数年度に実施するが、17年度は消費増税分を反映する目的で例外的に実施を計画していた。しかし、17年度も仮に予定通り消費増税と薬価改定を実施していた場合、消費増税分の上乗せよりも実勢価格の下落の方が大きくなり、マイナス改定になる公算が大きかった。