個人情報保護法改正案が2015年9月3日に成立する見通し。ICカードを使った交通機関の利用記録やネット通販の購入履歴などの個人情報から名前や住所などを除き、個人を特定できないようにした「匿名加工情報」の規定を設置。本人の同意がなくてもデータを活用したい企業などに渡せるようになる。

企業などはビッグデータを利用しやすくなる。小売業者の販売計画やメーカーの製品開発、電力使用量や交通情報の把握、最適なタイミングでクーポンを発行することなどに生かせる。

一方、個人情報の保護体制も強化する。企業には利用する項目を公表するなどの義務を課す。いままで規制の対象外だった個人データの取扱量が5000人分以下の中小・零細企業も規制の対象とする。企業が第三者と個人データをやりとりした場合、第三者の社名や氏名などを記録し、保存するよう求める。不正な利益を得るために情報を漏らした者には1年以下の懲役または50万円以下の罰金を科す。

また、政府は個人情報保護委員会を新設し、個人情報を取り扱う企業等の監視体制も強める。