日本通信は、携帯電話事業社ができない・やりたくない通信サービス領域をMSP事業と定義し注力。2015年はVAIOスマホの販売や米国で実績のある無線船長線の提供を日本で開始することなどから、MSP事業の売上高はグループ売上高の約半分に近づく見通し。
また、中長期的な経営の軸に、金融取引関係や自動車制御関係、IoT分野などグローバルをカバーする専用ネットワークが必要な分野向けに、安心して使える無線セキュア・ネットワークを提供することを据える。
業績では安定して50%以上の売上総利益率を達成する。
2014年の主な動き
【格安スマホ】
年月 | 内容 | |
2014年 | 4月 | イオンと協業し月額2980円の格安スマホを発売 |
12月 | 03スマホを開始 | |
2015年 | 3月 | VAIOスマホを販売開始 |
【その他の動き】
年月 | 内容 | |
2014年 | 8~12月 | 訪日観光客向けSIMを海外で販売 |
6月 | 米国で展開しているATM向け無線専用線事業を日本で開始するため、日本でセキュリティーのグローバル認定を取得 | |
8月 | ケーブルテレビ各社のMVNO化支援業務でジャパンケーブルキャストと提携 | |
03スマホを地域ベースで提供する準備を開始 | ||
2015年 | 1月 | JASDAQから東証1部への市場変更申請 |
【株式希薄化】
2013~2014年に株式の発行などから3.8%希薄化した。
2013年 | 2014年 | |
発行済み株式総数 | 134903000株 | 140072239株 |
2015年度の業績予想の前提
日本通信はMSP事業(携帯電話事業者ができない・やりたくない通信サービス事業)に注力。MSP事業の売上高を2014年の14億円から2015年は17億円増の31億円を見込む。VAIOスマホや米国で実績のある無線専用線の提供を日本で開始することが貢献。MSP事業はグループ売上高の約半分に近づく見通し。
MSP事業以外の分野では、SIM事業はSIMロック解除の義務化による市場拡大が期待されるも、多くのMVNO事業者の参入により競争が激化。前年と同水準を見込む。
日本通信は約50%前後の売上総利益率を維持していることから、売上増加分である17億円の約40%が利益貢献するとし、営業利益は6.92億円増の11億円を見込む。
2014年 | 2015年(予) | |
売上高 | 51億円 | 68億円 |
MSP事業 | 14億円 | 31億円 |
それ以外 | 36億円 | 36億円 |
営業利益 | 4億円 | 11億円 |
経営戦略
金融取引関係や自動車制御関係、IoT分野ではグローバルをカバーする専用線ネットワークが必要になる。日本通信は無線専用線や米国子会社Arxceoが持つセキュリティ技術を活用し、安心して使える無線セキュア・ネットワークの提供を中長期的な経営の軸に据える。米国で行っているATM向け無線専用線事業を日本で提供。MVNO事業を日本や米国のみならず、欧州やアジアでもグローバルに展開する。
業績面では安定して50%以上の売上総利益率を達成する。
項目 | 内容 |
軸 | 無線セキュア・ネットワークの提供 |
無線専用線事業 | 米国から日本に移植 |
MVNO | 欧州・アジアにも拡大 |
業績 | 売上総利益率50%以上 |
業績推移
売上高 | 経常利益 | 純利益 | 純資産 | 総資産 | 自己資本比率 | |
2015年(予) | 68億円 | 10億円 | 10億円 | - | - | - |
2014年 | 51億円 | 4.6億円 | 3.2億円 | 48億円 | 86億円 | 55.2% |
2013年 | 46億円 | 7億円 | 8.8億円 | 34億円 | 65億円 | 52% |
2012年 | 39億円 | 3.5億円 | 2.8億円 | 25億円 | 50億円 | 48.8% |
2011年 | 37億円 | 2.7億円 | 9.9億円 | 24億円 | 46億円 | 47.4% |
【セグメント別】
セグメント | 2012年 | 2013年 | 2014年 | |
日本 | 売上高 | 36億円 | 43億円 | 47億円 |
営業利益 | 11億円 | 17億円 | 16億円 | |
米国 | 売上高 | 3億円 | 3.6億円 | 3.7億円 |
営業利益 | ▲0.2億円 | ▲0.6億円 | 0.1億円 |