JCRファーマは、ヒトの細胞を培養し免疫不全などの治療に使う「細胞医薬品」の生産に乗り出す。健常者の骨髄液に含まれる幹細胞の一種を医薬品として使用。移植手術の際に起きる重い拒絶反応を抑える効果が期待できるという。2014年9月に厚生労働省に製造販売承認を申請。2015年9月2日に製造販売承認を了承。2016年はじめにも販売できる見通し。


JCRファーマーの細胞医薬品

厚生労働省は、2015年9月2日、JCRファーマの移植手術の際に起きる重い拒絶反応を抑える効果がある細胞医薬品の製造販売承認を了承した。対象は急性移植片対宿主病で、治療対象患者数は年440人、市場規模は数十億円と見込まれている。

JCRファーマは約5億円を投資し、年500~600人分の生産体制を整備。2014年7月10日には神戸市に細胞性医薬品製造工場を竣工。2015年8月4日にはヒト間葉系幹細胞の物流拠点となる神戸物流センターが竣工した。

項目 内容
ヒト細胞で免疫不全治療薬 上市 2016年初め
投資額 5億円
生産体制 年500~600人
治療対象患者数 年440人
市場規模 数十億円

【環境】
 2014年11月に日本で医薬品医療機器法が施行。再生医療薬が国の承認を得られるまでにかかる期間が約7年から2~3年に短縮され、世界で最も早く実用化できるようになった。


角膜内皮細胞

京都府立医科大学などが取り組む角膜内皮再生医療プロジェクトに参画。高性能性角膜内皮細胞の拡大培養技術の開発を進める。2013年末に水疱性角膜症の患者に対する再生医療が臨床研究として開始。水疱性角膜症に適用可能なヒト角膜内皮細胞の培養法検討を進め、角膜内皮の再生医療実用化を目指す。


業績推移

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2015年(予) 177億円 25億円 17億円 - - -
2014年 168億円 23億円 16億円 262億円 340億円 76.6%
2013年 157億円 16億円 12億円 245億円 334億円 73%
2012年 140億円 11億円 7.3億円 234億円 312億円 74.7%
2011年 128億円 10億円 6.3億円 226億円 289億円 77.8%
2010年 144億円 13億円 9.2億円 228億円 298億円 76.3%