イーレックスは、東北電力・東京電力・中部電力・九州電力の営業地域で電力小売りを展開。大型工場やオフィスビルなどの特別高圧(契約電力2000kW以上)や中小工場、スーパーなどの高圧(契約電力50kW~2000kW)の需要家に、発電所や固定価格買取制度、日本卸電力取引所で調達した電力を大手電力会社の送電網を用いて販売している。
電力の調達は、油ヤシの実の種の殻(PKS)を用いたバイオマス発電や石炭発電、製油所や石油化学工場などで未利用のまま焼却・放出されるオフガス、LNG、太陽光発電など多様な電源を確保している。
新規上場概要
項目 | 内容 |
上場予定日 | 2014年12月22日 |
1単元株式数 | 100株 |
主幹事 | 野村證券 |
公募・売出 | 400万株 |
オーバーアロットメント | 60万株 |
仮条件 | 1120円~1170円 |
ブック・ビルディング期間 | 2014年12月4日~2014年12月10日 |
公開価格 | 1170円 |
【調達資金使途】
2016年11月にPKSを主原料とする新たな発電所の運転開始を目標に、2014年7月にイーレックスニューエナジー佐伯を設立。資本参加を受けており保有割合は、イーレックスが70%、シグマパワーホールディングスが20%、東燃ゼネラル石油が10%となっている。設備投資額は約167億円。資金はシンジケートローンで121億円を調達。差額の46億円は出資割合に応じて出資者が負担する。イーレックスの負担分は新規上場により調達する資金と自己資金から充当する。
項目 | 内容 |
設備投資額 | 167億円 |
対象 | PKSを用いたバイオマス発電所 |
出力 | 5万kW |
運転開始 | 2016年11月 |
経営戦略
【自社電源を拡充】
一般企業の工場などから調達する電気は、その企業の経営悪化や事業所の統廃合などによる契約更新見送りや単価・販売量の改定などのリスクがある。そこで、電気の安定調達のため、自社電源を拡充。2013年6月にPKSを主原料とする土佐発電所が運転開始。2016年11月にも新たな発電所の運転開始を予定している。また、他にも国内数カ所で電源開発の検討を行っている。
【電力小売りの全面自由化への対応】
2016年度より電力小売りが全面自由化され、一般家庭にも電力供給が可能になる。自由化される範囲は、販売電力ベースで約50%であり、市場規模は急速に拡大する見通し。イーレックスは、販売地域の拡大のため、関西電力の営業地域で2015年をめどに電力小売りを開始する計画。
業績
【連結】
売上高 | 経常利益 | 純利益 | 純資産 | 総資産 | 自己資本比率 | |
2013年 | 153億円 | 13億円 | 8.1億円 | 34億円 | 98億円 | 35% |
2012年 | 124億円 | 11億円 | 6.7億円 | 27億円 | 55億円 | 48.5% |
【提出会社】
売上高 | 経常利益 | 純利益 | 純資産 | 総資産 | 自己資本比率 | |
2013年 | 153億円 | 12億円 | 7億円 | 34億円 | 61億円 | 55% |
2012年 | 124億円 | 12億円 | 7.4億円 | 27億円 | 43億円 | 63.9% |
2011年 | 140億円 | 13億円 | 7.6億円 | 21億円 | 39億円 | 53% |
2010年 | 104億円 | 4.8億円 | 2.8億円 | 13億円 | 25億円 | 53.3% |
2009年 | 184億円 | 1億円 | 0.5億円 | 10億円 | 16億円 | 62.8% |
【主要取引先】
2012年 | 2013年 | |||
売上高 | 割合 | 売上高 | 割合 | |
日本卸電力取引所 | 64億円 | 52.1% | 76億円 | 50.1% |