友金属鉱山は、2014年10月20日、二次電池用正極材料の1つである高性能ニッケル酸リチウムの生産設備の増強をすると発表した。愛媛県の磯浦工場の生産能力を増強。投資額は約150億円。2015年12月に完成予定で、ニッケル酸リチウムの生産能力は月850トンから月1850トンに増加する。

ニッケル酸リチウムは、パナソニックと共同で開発に成功し、主にパナソニックに供給。パナソニック製の円筒型リチウムイオン二次電池に使用され、米テスラの電気自動車「モデルS」に採用されている。

また、兵庫県の播磨事業所でニッケル酸リチウムの原料となる硫酸ニッケルも増産。50億円を投資し、2016年10月までに年産能力を2.3倍の4万5000トンにする計画。播磨ではガードレールなどのさび止めに使う蒸留亜鉛を生産。国内生産の約半分を占める5万トンを生産しているが、硫酸ニッケルの増産に向け生産を打ち切る。

 

住友金属鉱山 EV向け電池材増強

【ニッケル酸リチウム】

項目 内容
投資額 150億円
対象 ニッケル酸リチウム生産 月850トン→1850トン
完成 2015年12月
供給先 米テスラのEV向けリチウムイオン二次電池

 

【硫酸ニッケル】

項目 内容
投資額 50億円
対象 硫酸ニッケルの生産を2.3倍に引き上げ
完成 2016年10月