ホットリンクはソーシャルメディアの分析を行う「口コミ@係長シリーズ」やインターネット上の風評や情報漏洩を早期に発見するためのソーシャルリスク管理システム「e-mining」などを提供している。2チャンネルのデータを独占的に商用利用する権利を保持していることや、ツイッターの全言語・全世界における過去の全データへのアクセス権を保持していることが強み。


買収

2014年11月9日、世界で唯一中国版Twitterと呼ばれるSina Weiboのデータへのフルアクセス権の販売ライセンスを付与されている米Effyis社を買収すると発表した。買収額は26億円。資金は金融機関から21億円の融資を受ける。返済期日は2015年3月末を予定。 ホットリンクはEffyisの買収で、Sina Weiboのデータ提供サービスの機能拡張や既存製品の海外版の提供、中国のリスク検知サービスの開始が可能になるとしている。なお、Sina Weiboの利用者数は6億人とみられる。

投資額 割合 米Effyisの業績推移
売上高 営業利益 純利益 純資産 総資産
26億円 100% 2013年 8.6億円 0.1億円 0.03億円 ▲1億円 2.6億円
2012年 5.9億円 0.3億円 0.2億円 ▲0.9億円 1.6億円
2011年 4.1億円 0.8億円 0.5億円 1.3億円 0.06億円

 

【第三者割当で約16億円調達】
SMBC日興證券を割当先に新株予約権を発行し、約16億円を調達する。ファシリティ契約によりホットリンクが新株予約権の行使を要請することで、SMBC日興證券が新株予約権を行使し、資金調達がなされる。新株予約権全てが行使された場合の希薄化は14%。

項目 内容
調達額 16億円
発行価額 590円
割当先 SMBC日興證券
希薄化 14%
行使期間 3年
行使価額 上限無し 下限889円



経営戦略

ソーシャルビッグデータがマーケティングでの活用から選挙・報道・飲食・金融などでも使われ始めるなど活用範囲が広がっていく動きがある。この広がりをチャンスと捉え、ツイッターの全世界・全データの再販権を持つ2社のうちの1社である米Gnip社と日本市場における独占的な販売代理契約を取得。また、2ちゃんねるデータの独占的商用利用権を保持する強みを生かし、この拡がりの基礎となるソーシャル・ビッグデータを供給する「クラウドサービスベンダー」としての展開を大きな成長戦略とするとしている。


注目情報

経済産業省は異業種間でビッグデータの活用を進める協議会を立ち上げる見通し。買い物履歴やブログデータなど膨大な情報を持つ企業が、データ分析を持つ事業と共同で新製品やサービスを生み出す仕組みを促す。

項目 内容
経産省 ビッグデータの活用を進める協議会を立ち上げへ


業績推移

  売上高 営業利益 純利益 資本 資産 自己資本比率
2015年(予) 24億円 2億円 1億円 - - -
  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2014年 10億円 1.6億円 0.7億円 13億円 32億円 41.6%
2013年 9.4億円 1.4億円 0.6億円 12億円 14億円 86.5%
2012年 6億円 4億円 3億円 3億円 7億円 53.6%
2011年 5億円 1億円 1億円 2億円 3億円 74.3%
2010年 4億円 0.8億円 0.7億円 2億円 3億円 55.8%

※2015年からIFRSを適用 


参考

【国内ビッグデータ市場】

  2017年
国内ビッグデータ市場 1016億円


【国内クラウドサービス市場】

  2014年 2017年
国内クラウドサービス市場 3008億円 3820億円