富士重工業の純利益は2012年の1195億円から2013年は2066億円と約2倍になった。純利益が2倍になったのは円がドルに対して安くなったからで、2012年の83円から2013年は100円となった。これにより富士重工にとっては1567億円の増益効果があった。2014年の純利益見通しは2150億円で、円が対ドルで100円付近であれば純利益2000億円の水準が見込める。 バランスシートをみると、有価証券が2012年の663億円から2013年は2337億円に増加している。このことから稼いだ利益は現在有価証券として留保されていると考えられる。 円が対ドルで100円付近であれば純利益2000億円の水準の利益が見込めることから、為替相場を条件に2014年も内部留保できる現金が増えることが見込まれる。そのため、この資金が投資か、株主への分配か、それとも借入金返済による財務改善か。資金の使い道が注目される。
純利益 | 現金+有価証券 | うち有価証券 | 有利子負債 | |
2013年 | 2066億円 | 5848億円 | 2337億円 | 2695億円 |
2012年 | 1195億円 | 3515億円 | 663億円 | 3070億円 |
【生産能力増強】
2015年までに唯一のエンジン製造拠点である大泉工場のエンジン生産能力を20%増強し、年96万基とする。投資額は200億円。2014年夏以降、群馬での完成車生産能力を5000台増の年62万7000台とする。
投資額 | 期間 | 内容 | |
200億円 | 2014~2015年 | エンジン生産能力 | 20%増の年96満期 |
完成車生産能力 | 5000台増の62.7万台 |
富士重工業の経営計画 2011年~2015年度
2011年から2015年を2023年までにコア事業である「スバル」の年間販売目標100万台を達成する成長戦略の基礎固め期間と位置付け。2014年まで国内生産拠点の群馬製作所と米国拠点のSIAで段階的に能力増強を推進。2015年度の販売目標85万台の達成に向け、重点市場の米国と中国の販売体制強化に取り組む。 【生産計画】 生産体制では、北米の生産能力拡大に関する検討を開始。中国では経営計画中の中国現地生産開始は困難な見通し。
地域 | 生産計画 |
日本 | 58万台 |
海外 | 21万台 |
合計 | 79万台 |
【販売】
米国は販売目標を上方修正し、北米の生産能力拡大を検討。中国は完成車輸出による拡販を進める。
2014年 | 2015年 | |
販売目標 | 75万台 | 85万台 |