画期的と評判の量子電池「バテナイス」が注目されている。今までの電池は基本的に電解液に正極、負極を差し込んで電気エネルギーをためるが、バテナイスは電解液による化学反応がなく、量子技術で電気をためることができる。そのため、燃えることがなく、一般的なニッケル電池やリチウムイオン電池の充電が1000回程度であるのに対して、バテナイスは10万回できるという。

日本マイクロニクスは5億円を投資し、2014年5月から青森松崎工場に試作ラインの構築を開始。2015年春に完成予定。テスト生産を行い、設備の改良や製造ノウハウを蓄積。製品化・量産化は未定だが、中期経営計画「Challenge17」が終わる2017年までに事業化への足がかりを築きたいとしている。

製品化への課題は量産化技術の確立、実装技術の開発、目標性能に向けた要素の開発など。

 

二次電池「バテナイス」

【主な特徴】

分野 内容
安全性 不燃性材料で燃焼や熱暴走が発生しない
長寿命 1万回以上の充放電を繰り返しても劣化しない
高密度 従来の構成の二次電池の倍以上の電力密度を達成
環境性 原料に有害物質を使用しない。希少資源を用いていない
シート構造 シートを積層することで高電圧化が容易


【日本マイクロニクスの動き】
2015年6月24日、バテナイスで共同研究開発をしているGT社との契約を変更し、特許・ノウハウライセンスに移行したと発表した。電池において現時点で目標使用の達成への見通しが不透明であることや自己放電が大きいなど技術的な課題が存在し、その開発が容易でないことから、今後の開発計画に支障を与える可能性が出てきたとしている。

今後は複数の大学などと連携しつつ、バテナイスの目標性能達成と自己放電などの課題解決のための研究開発を継続。バテナイスの特徴を活かした用途での製品化を目指す。

項目 内容
試作ライン 青森松崎工場に2015年春に完成予定 投資額5億円
事業化 2017年までに足がかりを築きたい


業績推移

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2015年(予) 310億円 47億円 39億円 - - -
2014年 291億円 35億円 29億円 188億円 341億円 51.6%
2013年 203億円 15億円 11億円 139億円 293億円 44.3%
2012年 236億円 ▲23億円 ▲50億円 118億円 283億円 39.4%
2011年 290億円 9.2億円 ▲28億円 172億円 355億円 46.5%


経営計画

  2014年 2017年
売上高 291億円 310億円
営業利益 32億円 40億円