JTはロシア市場でたばこ販売のシェア36%を占めている。ロシアなどで物流・卸売事業を展開するMegapolisグループに製品を販売。海外たばこ事業の営業利益は2013年3764億円で全体の約58%を占めている。ロシアとウクライナに工場を置くが、たばこの原料は輸入していることから、ウクライナ情勢の緊迫化で輸入が滞れば生産体制に影響が出る可能性がある。
たばこ事業の営業利益推移
営業利益 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 |
国内たばこ | 2023億円 | 2092億円 | 2412億円 | 2580億円 |
海外たばこ | 2258億円 | 2523億円 | 2895億円 | 3764億円 |
【ロシア】
ロシアでは物流・卸売事業を展開するMegapolisグループに製品を販売している。2014年のロシア全体のたばこ総販売数量は8~10%減を想定。2014年1月にたばこ増税があり、6月からもレストランやカフェでの喫煙が禁止された。
【海外たばこ事業 CISの総販売数量成長率】
※CIS:カザフスタン、ルーマニア、ロシア、ウクライナ
2011年 | 2012年 | 2013年 | |
CIS成長率 | 6.5% | 9.6% | ▲6.2% |
経営戦略
海外ビジネスはむこう2~3年は約10%の成長を見込む。実質成長率が年率5~9%のアフリカに注目している。また、電子たばこなど未開拓の製品を拡大。経済的合理性があればM&Aも活用する。また、株主還元策を強化。配当性向に50%の下限を設定し、1株当たりの利益成長のため、自社株買いも検討する方針。
たばこ市場規模
英調査会社ユーロモニターインターナショナルは、世界のたばこ販売数量を2018年に3%増の5兆8836億本と予測。経済成長に伴って新興国の所得が上がり、種工品の需要が増加する。
2018年 | |
たばこ販売数量 | 5兆8836億本 |
参考
・英国 ブランドロゴの使用禁止の規制が成立。2017年5月から施行。
・EU 警告表示の拡大やメンソールなどのフレーバー展開の禁止が2017年から開始。