米国の量的緩和縮小を受け、新興国は金融市場の動揺を抑え込むため対策に乗り出している。アルゼンチンはドル買いへの税率を35%から20%に引き下げ、普通預金口座でのドル購入も認めるとした。インド準備銀行は海外の中央銀行や政府系ファンドなどの国債購入上限を50億ドルから100億ドルに引き上げ。トルコは政策金利を4.5%から10%に引き上げ、また資金流出を食い止めるための緊急対策を検討。ロシアは中央銀行が無制限の市場介入を実施する用意があると表明した。
新興国の主な金融政策
国 | 金融政策 |
アルゼンチン | ドル買いへの税率を35%から20%に引き下げ。普通預金口座でのドル購入を認める |
インド | 海外の中央銀行などの国債購入額の上限を50億ドルから100億ドルへ引き上げ |
トルコ | 政策金利を4.5%から10%に引き上げ |
緊急対策を検討 | |
ロシア | 中央銀行の市場介入実施を用意 |
南アフリカ | 政策金利を5%から5.5%に引き上げ |
【アルゼンチン】
ドル買いへの税率を35%から20%に引き下げ、普通預金口座でのドル購入を認める。
【インド】
インド準備銀行は、2014年1月31日までに海外の中央銀行や政府系ファンド、年金ファンドなどに対し、国債購入の上限を50億ドル(約5100億円)としていたが、100億ドルに引き上げた。国債の長期保有者による資金流入を促す狙い。
【トルコ】
2014年1月28日、政策金利を4.5%から10%に、翌日物価貸出金利を7.75%から12%に、翌日物借入金利を3.5%から8%と大幅に利上げ。また、資金流出を食い止めるためにエルドアン首相が緊急対策を検討しているもよう。
【ロシア】
中央銀行が無制限の市場介入を実施する用意があると表明。
経常収支推移
【新興国の経常収支推移】
トルコ中央銀行は、2014年2月13日、2013年の経常収支を▲650億ドル(約▲6兆6300億円)と発表した。輸出は1634億ドルと前年比0.1%増。主要な輸出先の欧州連合(EU)向けは増加も、中東向けが減少した。輸入は2432億ドルと前年比6.4%増。ロシアやイランなどからの燃料輸入が20%を占め、貿易収支は▲798億ドルだった。
国 | 2012年 | 2013年 |
トルコ | ▲477.5億ドル | ▲650億ドル |
【主要国の経常収支推移】
国 | 2012年 |
ドイツ | 2384.93億ドル |
中国 | 1931.39億ドル |
サウジアラビア | 1646.93億ドル |
ロシア | 747.99億ドル |
日本 | 604.46億ドル |
韓国 | 431.39億ドル |
アルゼンチン | ▲1.95億ドル |
ギリシャ | ▲83.96億ドル |
メキシコ | ▲141.84億ドル |
イタリア | ▲148.81億ドル |
南アフリカ | ▲240.68億ドル |
インドネシア | ▲240.74億ドル |
トルコ | ▲477.5億ドル |
ブラジル | ▲542.31億ドル |
オーストラリア | ▲569.01億ドル |
フランス | ▲571.42億ドル |
カナダ | ▲622.66億ドル |
インド | ▲881.63億ドル |
英国 | ▲938.66億ドル |
米国 | ▲4404.17億ドル |