日本銀行が2013年10月23日に公表した「金融システムリポート」によると、銀行の国債保有残高は4月以降5ヶ月連続で減少。3月時点の161.5兆円から8月は138.1兆円と23.4兆円減った。一方で、日銀が保有する長期国債の残高は3月時点の91兆円から10月には129兆円に増えた。日銀は金融緩和の手段として金融機関から大量の国債を買い入れている。日銀は2013年末に140兆円、2014年末に190兆円に積み増す方針。 銀行の貸出平均残高は9月に前年同月比2.2%増加。電力・エネルギー、不動産、医療、福祉業などへの貸出も伸びでいる。 一方、生命保険会社や年金など機関投資家では、銀行のような資金シフトの大きな変化は見られていない。銀行による外債や投資信託といったリスク資産への投資残高も足元では伸び悩んでいるとしている。
日銀・金融機関の国債残高推移
【国債残高推移】
金融機関 | 3月 | 8月 |
銀行 | 161.5兆円 | 138.1兆円 |
日本銀行 | 91兆円 | 129兆円 |
【日銀の長期国債保有見通し】
2013年 | 2014年 | |
日本銀行 | 140兆円 | 190兆円 |
【金利が1%上昇した場合の損失額】
金利が1%上昇した場合の損失額は、銀行と信用金庫を併せた場合、4月時点の8.4兆円から10月は7.9兆円に、銀行のみでも4月時点の6.6兆円から10月は6兆円に減った。
金融機関 | 4月 | 10月 |
銀行+信用金庫 | 8.4兆円 | 7.9兆円 |
銀行 | 6.6兆円 | 6兆円 |