石油資源開発は、2013年7月25日、秋田県「鮎川油ガス田」でシェールオイルの産出が確認され、商業化に向けた検討を始めると発表した。実施した採取実験の総量は1416キロリットル、日量が約40キロリットルと好結果で、商業化が実現すれば日本初のシェールオイルの商業生産となる。
シェールオイルは頁岩(けつがん)と呼ばれる固い岩盤のごく小さな隙間に閉じ込められている原油。ここから長い年月をかけてもれた石油が最も浅いところに溜まって出来たものが従来の油田でシェールはその源になるもの。生産では米国が先行しており、シェール層の開発によって地中から取り出せる石油の量が増え、将来のエネルギー不足の懸念が後退している。
鮎川油ガス田の採取試験は2012年10月にスタート。薄めた塩酸などを注入して岩石を溶かし、原油を通りやすくする「酸処理」を実施し、日本で始めてシェールオイルの採取に成功した。
2012年10月より3回に渡って原油を採取。2回目までの原油生産量は日量6キロリットルだったが、3回目で日量40キロリットルと約約7倍に増加した。
石油資源開発は「鮎川ガス田」と同様にシェールオイルが分布する「福米沢油田」においても新たな実証試験を計画しており、その実施にむけて準備を開始する。