新興国の所得水準向上でアジアの生理用品・ベビー用紙おむつの需要が急速に拡大。先進国では高付加価値のベビー用紙おむつ・生理用品の需要が高まり。世界的な高齢化でペットケア関連製品や大人用紙おむつなど排泄ケア製品の需要拡大が見込まれる。 ユニ・チャームの2011年から2013年の経営計画は、10年後の躍進に向けた足固め期間との位置付け。新興国での参入エリアの拡大を進めるとともに、先進国では製品革新による市場活性化を進めるとしている。


2011年~2013年の中期経営計画

2014年3月期に売上高5700億円、営業利益800億円を目指している。新興国の「中間所得者層、ローコスト市場」の開拓、生活水準向上による「安心で衛生的な生活への欲求拡大」への貢献、女性の社会進出に伴う「文化・慣習の違いを超えた高機能ニーズ・多機能ニーズ」への対応を基本方針に置いている。

  売上高 営業利益
2013年 5700億円 800億円

【中国市場】
中国の紙おむつ普及率は全国平均で20%程度。中国の乳幼児人口は4000万人弱と大きな成長機会がある。都市型大型店舗の売り上げを拡大すると同時に、内陸部の小規模小売店、赤ちゃん専門店などへのチャネル拡大を進める。


2020年の見通し

ユニ・チャームが参入している事業分野には大きな成長余地があり、2020年には約28兆円まで市場規模が拡大することが見込まれる。アジアや中東・北アフリカエリアにおけるシェアを拡大し、2020年までに世界シェア1位獲得を目指すとしている。

【ユニ・チャームの属する世界市場規模推移見通し】

市場規模
2020年 27.9兆円
2008年 11.8兆円
1997年 6.7兆円


【製品カテゴリー別年平均成長率】

製品カテゴリー 1997年-2008年 2008年-2020年
ペットフード 4.8% 8.1%
ペットケア 5.4% 4.5%
ウェットティッシュ 11.6% 4.3%
アダルトインコンチネンス 7.5% 13.5%
フェミニンケア 4.1% 7.3%
ベビーケア 4.9% 6.2%
合計 5.3% 7.5%

【ペットケア関連市場】
ペット関連市場は2020年に約14兆円まで拡大すると予測されている。日本は単身世帯の増加で拡大。海外は欧米などの先進国に加え、中国を中心としたアジア、南米など所得水準の向上や少子高齢化の進展で市場の拡大が予測されている。 米国の市場規模は世界最大の約300億ドルと推測され、今後も年率5%程度の成長が期待。中国も今後、ペット頭数が増加し、2020年までに1兆円の需要が顕在化すると予測されている。

市場規模
米国 約300億ドルで年率5%程度の成長
中国 2020年までに1兆円


ユニ・チャームの業績推移

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2013年(予) 5800億円 650億円 350億円 - - -
2012年 4957億円 650億円 431億円 3292億円 5350億円 54.2%
2011年 4283億円 483億円 269億円 2432億円 4724億円 45.1%
2010年 3769億円 431億円 335億円 2196億円 4440億円 45.5%
2009年 3568億円 458億円 244億円 2074億円 3077億円 59.7%

【セグメント別業績推移】

  2010年 2011年 2012年
売上高 営業利益 売上高 営業利益 売上高 営業利益
パーソナルケア 3218億円 401億円 3628億円 482億円 4171億円 554億円
ペットケア 477億円 61億円 595億円 31億円 731億円 36億円
その他 73億円 2.7億円 59億円 4.8億円 54億円 3.6億円