伊勢志摩サミット(2016年5月26日~2016年5月27日)の主なポイントまとめ。世界経済に下振れリスクがあるとの懸念を共有した。安倍晋三首相は「参考データ」を提出。最近のエネルギーや食料など商品価格がリーマン危機前後と同じ55%下落。新興国の投資や経済成長はリーマン危機以来の落ち込み。新興国からの資金が流出。主要国の成長率見通しが下方修正などを指摘。現在の世界経済がリーマン危機前に似ているとした。

財政出動の重要性で各国が一致。安倍首相は、インフラや環境・エネルギー科学技術分野への投資を具体例に挙げた。

世界で格差問題が深刻化し、中間層の不満が拡大。各地でポピュリズムが横行している。複数の首脳は「中間層に対する投資が重要だ」とした。


安倍首相が提出した参考データ

参考データ
最近のエネルギーや食料など商品価格がリーマン危機前後と同じ55%下落
新興国の投資や経済成長はリーマン危機以来の落ち込み
新興国からの資金が流出
主要国の成長率見通しが下方修正

 
財政出動

米国は、米国だけが世界の成長エンジンであり続けることは難しいとし、経済成長の促進に向けた強力を日本や欧州に求めた。ドイツは、メルケル首相が「世界経済は安定成長への兆しをみせている」「構造改革、財政政策、金融政策の3つを組み合わせる」とし、構造改革によって経済の体力を底上げすることを優先すべきとした。英国は、キャメロン首相が世界経済について前向きな発言をした。フランスは、オランド大統領が「成長を後押しするには柔軟な財政措置を講じることが望ましい」とした。イタリアやカナダも財政出動の重要性に触れた。

内容
米国 経済成長の促進に向けた協力を日本や欧州に要請
ドイツ 構造改革で経済の体力を底上げすることを優先すべき
英国 世界経済について前向きな発言
フランス 柔軟な財政措置を講じることが望ましい
イタリア 財政出動は重要
カナダ 財政出動は重要


貿易

安倍首相は「多くの国で国民の反自由貿易の意見が高まっており、ナショナリズムやポピュリズムとの戦いという状況になっている。G7として保護主義抑止のコミットメントを再確認することが重要だ」とした。各国首脳は「低価格の輸入品が入ってこなくなるといった保護主義の危険要素を説明すべきだ」「貿易協定の利点が大きいことを、各国で国民に説明する必要がある」とした。

日米カナダなど12カ国が参加するTPPや日欧のEPA、米国とEUの環大西洋貿易投資協定(TTIP)など、関税撤廃のほか、非関税障壁が交渉対象となっている。G7はこうした通商協定が世界貿易を活発にする起爆剤になると位置づけている。

内容
保護主義抑止のコミットメントを再確認
低価格の輸入品が入ってこなくなる保護主義の危険要素を国民に説明
貿易協定の利点を国民に説明


中国の過剰生産性問題

G7は経済協力開発機構(OECD)の場などで中国との協議を加速し、鉄鋼以外の広範な素材に広がる供給過剰の是正を促す方針。


通貨

日米欧が通貨安競争の回避で一致。米オバマ大統領は「我々は全ての国・地域に悪影響を与える保護主義や競争的な通貨の切り下げ、近隣窮乏化政策を避けることが重要だと強調した」とした。