欧州委員会による2016年発表の経済見通し。
2016年11月9日、2018年までの経済見通しを発表した。実質成長率は2017年は1.8%から1.5%に下方修正、2018年は1.7%とした。個人消費が牽引し、緩やかな成長が続く一方、英国のEU離脱や世界的な貿易低迷など、先行きリスク要因が高まっているとしている。英国の実質成長率は2017年に1.9%から1%に下方修正。EU離脱決定に伴う先行き不透明感が強く、投資などに響くとしている。
消費者物価上昇率見通しは、2017年に1.4%。原油安に歯止めがかかりつつあることから横ばいとしている。
2016年の経済見通し推移
発表月 | 2015年 | 2016年 | ||||
2月 | 5月 | 11月 | 2月 | 5月 | 11月 | |
実質成長率 | 1.9% | 1.9% | 1.8% | 1.7% | 1.6% | 1.7% |
物価上昇率 | 1.3% | 1.5% | 1% | 0.5% | 0.2% | 0.3% |
失業率 | 10.6% | 10.5% | 10.6% | 10.5% | 10.3% | 10.1% |
【欧州委員会の認識】
発表月 | 2015年11月 | 2016年2月 | 2016年11月 |
経済 | 中国経済の減速など下振れリスク | 世界経済や金融市場のリスクが増大 | 英国EU離脱や貿易低迷などで先行きリスク |
2017年の経済見通し推移
発表月 | 2015年11月 | 2016年2月 | 2016年5月 | 2016年11月 |
実質成長率 | 1.9% | 1.9% | 1.8% | 1.5% |
物価上昇率 | 1.6% | 1.5% | 1.4% | 1.4% |
失業率 | 10.3% | 10.2% | 9.9% | 9.7% |
発表内容
【2016年5月3日】
2016年の実質成長率を1.7%から1.6%、消費者物価指数を0.5%から0.2%に下方修正した。「ユーロ圏の景気回復は続くが、世界経済の状況は以前よりも押し上げ効果が弱まっている」とした。中国など新興国の成長鈍化や地政学的な緊張の高まり、原油価格の変動などが影響する。
【2016年1月4日】
2016年の実質成長率を1.8%から1.7%、消費者物価指数を1%から0.5%に下方修正した。ユーロ圏は個人消費が下支えして「緩やかな成長が続く」。物価は原油安から低迷が続くとした。また、経済は「中国経済の減速など下振れリスクが強まっている」から「世界の経済や金融市場のリスクは明らかに増大している」とした。
世界経済の実質成長率は、2016年は3.3%、2017年は3.5%とした。