不二製油は、2015年3月13日、ブラジルHarald社の株式83.3%を取得すると発表した。取得額は約240億円。完了は2015年4月。

Haraldは業務用チョコレートの製造・販売事業を展開。ブラジル国内のベーカリーショップ約7万店や大手製菓・製パンメーカー、チョコレート製造専門店などの販売ネットワークを持つ。

不二製油はブラジルでのシェアを高める。Haraldの営業網を活用し、不二製油の技術で品質を高めた業務用チョコレートの販売を周辺国にも広げる。ブラジルは、手作りチョコレートを個人販売する文化が古くから慣習として根付いていることから、チョコレートは国民の文化的嗜好品。アメリカ、ドイツに次ぐ世界第3位の市場規模を有する。


不二製油 ブラジル業務用チョコレートを買収

項目 内容
取得額 240億円
対象 ブラジルHarald株83.3%
事業 業務用チョコレートの製造・販売
完了 2015年4月

【Harald】

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産
2013年 160億円 13億円 9億円 28億円 112億円
2012年 137億円 3億円 2億円 19億円 99億円
2011年 119億円 ▲4億円 ▲1億円 17億円 103億円


事業ポートフォリオ戦略を明確化 

Harald社の買収により事業ポートフォリオ戦略区分を明確化。成長事業、安定成長、構造改革、育成事業の4つに区分し、選択と集中により経営資源を投入する。成長事業には、チョコレート用油脂、コンパウンドチョコレート、大豆多糖類事業を選定している。


不二製油の経営計画

不二製油の2015年から2017年の経営計画。日本ではシェア維持・拡大や事業再構築による採算改善。海外ではアジア・中国を中心に数量拡大。新たにブラジルでの事業展開により更なる数量拡大を目指す。3年間で500億円以上の営業キャッシュフローを創出。設備投資に400億円、通常投資に100億円、戦略的投資に300億円を投じる。

ROEを2014年の6.8%から2017年に8%以上に引き上げる計画。収益構造改革による利益率向上に加え、総資産回転率の向上や不要資産の売却、生産拠点の統廃合、棚卸資産の適正化、投資案件の厳選により実現を目指す。

  2014年 2017年
売上高 2719億円 3300億円以上
営業利益 142億円 200億円以上
営業利益率 5.2% 6%以上
ROE 6.8% 8%以上
海外営業利益比率 32.5% 40%以上


業績推移

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2015年(予) 3000億円 156億円 100億円 - - -
2014年 2719億円 134億円 93億円 1508億円 2236億円 65.1%
2013年 2530億円 147億円 81億円 1351億円 2022億円 63.3%
2012年 2321億円 138億円 83億円 1215億円 1971億円 58.5%
2011年 2365億円 130億円 82億円 1094億円 1838億円 56.4%
2010年 2227億円 162億円 97億円 1032億円 1744億円 56.4%