ポルトガルの大手銀行バンコ・エスピリト・サント(BES)は、2014年7月上旬、筆頭株主で同グループ系列のESFGが短期債務の返済を延期。米大手格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが7月9日にESFGの格付けを引き下げたことをきっかけに信用不安が広まった。

7月30日、BESは1-6月期の決算で最終損益が36億ユーロの赤字となったと発表。ビートル・ベントCEOは「増資が必要」との認識を表明。本業との関係が薄い資産の売却を進めるなどリストラにも着手する方針。8月3日にはポルトガル中央銀行は49億ユーロの注入を決定した。


BES 関連情報

【BESの業績】
2014年7月30日、1-6月期の決算で最終損益が36億ユーロの赤字となったと発表した。グループ会社のエスピリ・サント・グループなどへの不良債権に計42億5000万ユーロの引当金を計上した。ビートル・ベントCEOは「増資が必要」との認識を表明。複数の投資家と増資に向けた協議を進めていることを明らかにした。また、本業との関係が薄い資産の売却を進める方針も示した。

  2013年1-6月 2014年1-6月
BESの純利益 ▲2億ユーロ ▲36億ユーロ

【ポルトガル中央銀行の動き】
ポルトガル中央銀行は2014年7月上旬、声明で「BESの支払い能力は十分にあり、財務状態は最近の増資で強化されている」と発表。8月3日、49億ユーロの注入を決定。救済資金の大半は、国際救済プログラムにおける64億ユーロのポルトガル保有枠を利用。ポルトガルが2012年に創設した銀行救済基金を通じて資金注入を実施する。 

項目 内容
救済資金 49億ユーロを注入