リボミックは、アプタマー創薬の技術に関するプラットフォームである「RiboARTシステム」をベースとした創薬プラットフォーム系バイオベンチャー。「RiboARTシステム」はさまざまな疾患分野や創薬ターゲットに対して応用可能な創薬の基盤技術であるため、特定の新薬開発を行うのみならず、他の製薬会社の要請に応じて新薬のタネを供給できる。

リボミックはRiboARTシステムをベースとして、ライセンスの提供と共同研究の2つをバランス良く組み合わせて事業を展開するとしている。


新規上場概要

上場予定日 2014年9月25日
1単元株式数 100株
主幹事 大和証券
公募・売出 216万4000株
オーバーアロットメント 34万4600株
仮条件 2000円~2300円
ブック・ビルディング期間 2014年9月8日~2014年9月12日
公開価格 2300円

【主要株主】

コード 企業 保有割合
4578 大塚製薬(大塚HD) 36.8%

【調達資金使途】
自社のパイプラインの強化・充実を図るための研究投資や開発候補品の臨床ステージへ向けた研究開発に充当。 


業績

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2013年 1.5億円 ▲2.1億円 ▲2.1億円 3.5億円 4.9億円 71.9%
2012年 1.6億円 ▲2.7億円 ▲2.7億円 5.6億円 6億円 93.7%
2011年 2.2億円 ▲3.1億円 ▲3.1億円 8.4億円 8.9億円 94.3%
2010年 3.6億円 ▲3.8億円 ▲3.8億円 11億円 12億円 95.5%
2009年 2.1億円 ▲0.9億円 ▲1億円 11億円 12億円 93.4%

【主要取引先】

売上高 2012年 2013年
大塚製薬 1億円 0.8億円
全農工業 0.3億円 0.3億円
田辺三菱製薬 0.3億円 -
藤本製薬 - 0.3億円


アプタマー医薬 

【アプタマーとは】
アプタマー医薬はこれまで医薬品として用いられてきた低分子医薬品、ワクチン、抗体医薬品に次ぐ新しいカテゴリーである核酸医薬品に属する。核酸医薬品は開発の歴史が浅く、上市されたのは現在までに3品のみで、多くは発展途上にある。

アプタマー医薬は病気の要因となるたんぱく質に結合し、その働きを阻害する。2004年12月に世界で初めて目の難病である加齢黄斑変性症を適応症とする「Macugen」が米国食品医薬品局(FDA)に承認され、ファイザーが発売。2005年に米国で200億円を売り上げた。しかし、2006年に競合品が上市し、2013年の売上は10億円程度とみられる。

【今後の展開】
これまではアプタマー創製に不可欠な技術の基本特許を米アルケミックス社が保有し、自由に研究活動ができなかった。しかし、2011年6月に日欧で特許が失効したことから、自由にアプタマーの創製ができるようになった。

アプタマー医薬品は2015年前後までは加齢黄斑変性症薬「Macugen」のみの状態が継続する見通し。リボミックは、現在開発中のアプタマー医薬が世界的に承認され上市されれば、2020年以降に核酸医薬品市場の一定のシェアを獲得できるとしている。

【アプタマー医薬の市場規模】
米BBC Research社は世界のアプタマー医薬市場が2012年の13億円から2017年に1700億円になると予測している。

  2012年 2017年
アプタマー医薬 13億円 1700億円


RiboARTシステム 

さまざまな疾患分野や創薬ターゲットに対して応用可能な汎用性を有する創薬基盤技術。特定の新薬開発を行うのみならず、他の製薬会社の要請に応じて新薬のタネを供給できる。

リボミックはRiboARTシステムをベースとして、ライセンスの提供と共同研究の2つをバランス良く組み合わせて事業を展開するとしている。


研究開発戦略

アプタマー創薬における「RiboARTシステム」の更なる向上を図るため、次のアプタマー創製にチャレンジする項目。

  項目
1 アゴニスト・アプタマー(受容体作動薬)
2 細胞内への取り込み可能なアプタマー
3 細胞膜貫通型のたんぱく質と結合するアプタマー
4 iPS細胞の創製や純化、分化誘導に関連するアプタマー