猪瀬直樹前東京都知事の辞職により、東京都知事選挙が行われる。日程は2014年1月23日告示、2月9日投開票となる。新知事就任までの間、庁議では2014年度の予算編成を従来通りのスケジュールで行うことや、重要施策の決定を副知事や教育長などが集まる政策会議で決めることを確認したようだ。都は2014年度予算案に組織委への出資や6つの競技会場の整備費用等103億円を計上する方針。 {東京都知事選を巡る主な日程}
日程 内容
1月中旬 各党が候補者を絞り込み
1月23日 都知事選告示
2月9日 都知事選投開票
2月上旬 東京五輪組織委員会を設置
2月 2014年度予算案の知事審査
2月下旬 都議会に予算案を提出
{東京都知事選 出馬者と公約} 2014年1月14日、元厚生労働省の舛添要一氏が正式に出馬を表明した。自民党は支援のために調整を急ぐと共に、公明党も自民党に同調する。重点施策として、社会保障の充実や大規模災害への万全な備えを挙げた。1月14日、細川護煕元首相も正式に出馬を表明。小泉純一郎元首相の支援を取り付け、民主党も支援する方針。重点施策として、脱原発を据える方針。東日本大震災からの復興を進めるため、2020年の東京五輪で東北で実施する競技を増やすことも検討する。また、前日本弁護士連合会会長の宇都宮健二氏、元航空幕僚長の田母神俊雄氏も出馬を表明している。 【舛添要一氏の主な公約】 東京五輪では、史上最高の五輪を実現や渋滞緩和・大気汚染対策を推進する。暮らしでは、高齢化対策として介護や医療を充実させると共に、待機児童解消策を推進する。防災対策では、最悪の事態を想定した危機管理対策を構築。原発は再生エネルギー比率を20%まで上げ、中長期的に原発依存度を減らすとしている。
分野 内容
東京五輪 史上最高の五輪。自転車活用で渋滞緩和や大気汚染対策
暮らし 高齢化対策として介護や医療を充実
待機児童解消策を推進
防災 最悪の事態を想定した危機管理体制の構築
老朽化した首都高改修を実施
原発 再生エネルギー比率を20%まで上げ、中長期的に原発依存度を減らす
【細川護煕氏の主な公約】 東京五輪では、東北と関連行事を合同開催することや過大な施設計画を見直す。暮らしでは、女性が働きやすく男性も子育てできる社会を目指すと共に任期中に待機児童をゼロにする。防災対策では、大規模災害発生時の帰宅困難者対策や建造物の耐震化対策を推進。原発では、再稼働させず原発ゼロの方針で、2020年に再生可能エネルギー比率を20%にするとしている。
分野 内容
東京五輪 東北と関連行事を合同開催
過大な施設計画は見直し
暮らし 女性が働きやすく男性も子育てできる社会
任期中に待機児童ゼロ
防災 大規模災害発生時の帰宅困難者対策や建造物の耐震化対策
自然の力を活かした防災都市づくり
原発 再稼働させず原発ゼロ
2020年に再生可能エネルギー比率を20%
【宇都宮健児氏の主な公約】 東京五輪では、環境に配慮したシンプルなオリンピックの実現や新国立競技場の建設計画、葛西臨海公園のカヌー競技場の計画を見直す。暮らしでは、社会保障の切り下げに反対するとともに、影響を受ける都民への支援を検討。ブラック企業への規制推進や労働者を守る「公契約条例」を制定する。防災対策では環境重視、防災・減災重視のまちづくりを推進。教育では「日の丸・君が代」の強制や管理統制強化への反対を表明した。
分野 内容
東京五輪 環境に配慮したシンプルなオリンピックの実現
新国立競技場、葛西臨海公園のカヌー競技場の建設計画を見直し
暮らし 社会保障切り下げに反対。影響を受ける都民への支援を検討
保育所や特養ホーム整備の推進
「ブラック企業」への規制を推進。過労死防止条例や自治体発注事業で労働者の賃金・労働条件を守る「公契約条例」を制定
防災 木造住宅密集地域の耐震・難燃化や延焼防止策、沿岸部の燃料タンクや発電所の安全対策、帰宅困難者対策の推進
教育 「日の丸・君が代」強制や管理統制強化に反対
【田母神俊雄の主な公約】 東京五輪では、2020年に向けた都市整備。防災対策では首都直下地震などの防災対策として自衛隊を中心とした救助体制を構築。教育ではインターネット上で講義が受けられる国際大学の設置を挙げた。
分野 内容
東京五輪 2020年に向けた都市整備
防災 自衛隊を中心とした救助体制の構築
教育 インターネット上で講義が受けられる国際大学の設置