金融庁は時価総額1000億円以上など一定条件を満たす企業の増資で、公表から新株の価格が決まるまで1~2週間あける義務や増資公表前に機関投資家の需要を聞く調査を解禁する方針。また、投資信託や投資法人が資産の50%以上投資できる対象を株式等の有価証券や不動産、商品などに限定している制度を緩め、太陽光や風力などの再生エネルギー施設やインフラ施設の運営権に直接投資できる金融商品を作れるようにする方針。厚生労働省は派遣期間が業務ごとに決められている制度を個人ごとに決めるよう変更する方針。
{主な規制緩和検討項目}
機関 |
対象 |
規制緩和内容 |
時期 |
金融庁 |
投資信託 |
再生エネルギー施設やインフラ施設の運営権に直接投資できる金融商品 |
- |
ベンチャー |
投資型クラウドファンディングを導入 |
- |
増資 |
公表から新株の価格が決まるまで1~2週間あける義務を撤廃 |
2014年 |
厚労省 |
派遣 |
派遣期間を業務ごとから個人ごとに変更 |
2014年 |
【投資信託】
金融庁は投資信託や投資法人が資産の50%以上投資できる対象を株式等の有価証券や不動産、商品などに限定している制度を緩め、太陽光や風力などの再生エネルギー施設やインフラ施設の運営権に直接投資できる金融商品を作れるようにする方針。
規制緩和により、施設の有価証券化費用などの中間費用を省けるため、個人は低い手数料で資金の大半を直接、太陽光発電施設などに投資することが可能になる。運用会社は施設の保守管理などを外部委託し、電力の販売収入を投資家の配当に充てる。
2015年度に日本取引所グループが創設するインフラファンド市場を後押しする。
【ベンチャー】
インターネット経由で不特定多数の個人から小口資金を集める「投資型クラウドファンディング」を導入する方針。原則禁止になっている個人の未公開株取引をできるようにする。ベンチャー企業の資金調達額は1億円未満で、個人の投資額上限を1人あたり50万円とする。
【増資】
金融庁は時価総額1000億円以上など一定条件を満たす企業の増資で、公表から新株の価格が決まるまで1~2週間あける義務や増資公表前に機関投資家の需要を聞く調査を解禁する方針。2014年度中に解禁する予定で、増資公表と同時に新株の価格を決めることが可能になる。また機関投資家の事前需要を調査し、増資にかかる期間を短縮できるようにする。
【派遣】
厚生労働省は派遣期間が業務ごとに決められている制度を個人ごとに決めるよう変更する方針。企業は働く人を交代させてもその業務をずっと派遣に任せることができ活用幅が拡がる一方、派遣労働者は一定期間同じ職場で働けると共にキャリアアップにもつながる。2014年の通常国会に労働者派遣法の改正案を提出する見通し。