エンビプロホールディングス(5698)は、企業・解体物件などから排出される金属スクラップや産業廃棄物を主に取り扱う資源リサイクル事業を展開。廃棄物を収集運搬し、中間処理工場で処理、鉄スクラップ、プラスチックなどのリサイクル資源を生産し国内外に販売している。 また、グループで生産したリサイクル資源以外にも、同業者などからリサイクル資源を仕入れ、国内外への貿易取引も行っている。全国からリサイクル資源を集荷し、大量に販売することで販売先への価格交渉力を保持している。 {主要業績指数推移}
  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2012年 328億円 0.3億円 ▲0.9億円 45億円 118億円 37.9%
2011年 310億円 7億円 3億円 46億円 117億円 39.1%
【品目別販売地域一覧】
品目 販売地域 販売先
鉄スクラップ 韓国、台湾、中国、日本 大手電炉、高炉メーカー
中古自動車 中東、東南アジア、中南米、アラブ首長国連邦、チリ、ウガンダ  中古自動車・中古自動車部品販売業者、エンドユーザー 
中古自動車部品
銅、アルミ、ステンレス 中国、日本 非鉄商社、非鉄製錬メーカー
故紙 中国、韓国、タイ、インドネシア 製紙メーカー、故紙バイヤー
プラスチック 中国、台湾 プラスチック製造メーカー、製紙メーカー
【売上構成】
売上高 日本 海外 主要顧客 海外比率 主要顧客比率
ポスコ(韓国) 現代スチール(韓国)
2012年 97億円 231億円 49億円 45億円 70.4% 28.8%
2011年 115億円 194億円 - 54億円 62.7% 17.6%
{経営戦略 今後の見通し} 【事業領域の拡充・拡大】 大手製造業などが排出する廃棄部材から有用資源を選別し、還元するリサイクル請負事業を強化し、金属スクラップ相場に影響されない安定収益源の確保を目指している。加えて、国内産業廃棄物の発生量で20%を占める動物の糞尿など、現在取り扱っていない商材について、周辺分野を含めた総合的なリサイクル事業を目指すとしている。 また、全国に拠点展開する大手企業の場合、全国規模で発生する廃棄物を一括して一企業グループに委託したいという潜在的なニーズが存在する。廃棄物の清掃と処理に関する法律は、許認可の行政区分が県、政令指定都市単位となっていることから、各都道府県に拠点を持つことで大手企業の廃棄物処理ニーズへの対応が可能になる。 リサイクル業界は、地域を抑えることで過当競争を緩和し、高値での仕入を抑制できる傾向がある。また、各地域に拠点展開することで全国規模でのマーケットシェアを高めることができる。 【海外市場への進出】 日本経済は成熟し大きな発展は期待できない一方、中国をはじめとする東南アジアは今後も成長することが予想される。エンビプロはアラブ首長国連邦、チリ、ウガンダに現地法人を開設している。また、貿易取引においては現在海外拠点はないが、販売先である韓国、中国をはじめ東南アジアでの営業事務所やスクラップヤードの立ち上げを模索する段階にある。