足利銀行の持株会社である足利ホールディングスは、2013年12月19日、東京証券取引所に再上場した。足利銀行はバブル期に多額の不良債権を抱えて2003年11月に経営破綻。当時の持株会社であったあしぎんファイナンシャルグループは上場廃止となった。2008年から野村ホールディングス傘下の野村フィナンシャル・パートナーズを中心とする投資グループが2800億円を出資し再建を進めていた。 足利銀行は栃木県など北関東を地盤とし、総資産が約5兆3600億円(足利銀行単体)に上る全国で上位に位置する地方銀行。住宅ローン残高や預かり資産残高が増加し、収益基盤を安定させてきている。2012年度の自己資本比率は9.7%で、最低基準の4%を上回り、健全性を維持している。また、破綻の原因となった不良債権の発生も抑え3.24%。2015年までの経営目標では3%以内に抑えるとしている。 {主要業績指数推移}
売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2012年 983億円 186億円 154億円 2793億円 5兆4341億円 9.7%
2011年 1012億円 172億円 171億円 2567億円 5兆3537億円 9.47%
2010年 1046億円 157億円 159億円 2392億円 5兆2186億円 8.63%
2009年 1170億円 246億円 254億円 2347億円 4兆9897億円 7.63%
2008年 822億円 ▲272億円 ▲65億円 1953億円 4兆9209億円 5.75%
【有価証券残高】
2012年 2011年
有価証券残高 118億円 120億円
国債 43億円 36億円
地方債 31億円 41億円
社債 28億円 34億円
株式 5億円 3億円
{2013年~2015年 経営計画} 取引基盤・ストックのさらなる積み上げや深掘りにより取引シェアを拡大。関東圏に広域化された店舗ネットワークのポテンシャルを最大限に活用する。コンサルティングの強化による持続的な成長を実現すると共に、効率性を追求した業務プロセスの改革を進め、効率性の高い経営を実現する。
足利ホールディングス  
 目標項目 2015年 2012年
 経常利益 190億円  186億円 
 自己資本比率 8.2%  9.7% 
足利銀行単体 
 業務粗利益 780億円  810億円 
 業務純益 300億円   313億円 
 預金等末残 5.2兆円  4.9兆円 
 貸出金末 4.1兆円  3.7億円 
 個人預かり資産残高 9500億円  7568億円 
 不良債権比率 3%以内  3.24% 
【シェア拡大による収益基盤の強化】 栃木県内の預金シェアを40%、貸出シェアを45%とする。栃木県外についても積極的にシェアを拡大していく。 【円滑な地域金融への取組強化】 経営改善・事業再生支援の継続実施を行い、不良債権比率を3%以内に抑える。 【業務プロセスの効率化】 事務量を35%削減するなど、OHR(経費/業務粗利益)60%を目指す。