政府は参院選の日程を7月4日に公示、21日に投開票とする。争点は参院で野党が多数を持つ「ねじれ」を解消できるかどうかや安倍首相の成長戦略、憲法改正など。また、今回の選挙からインターネットを使った「選挙運動」が解禁され、立候補者は実績や日々の活動を配信できるようになる。
{[ネット選挙関連銘柄[2539]]}
7月に行われる参議院選挙では、インターネットを使った「選挙運動」が解禁される。ネット事業者が得意分野を生かした形で連携し情報配信が行われる。また、なりすましや中傷などの対策に対するサービスも展開される。このようなネット選挙に関わる事業・サービスを展開する主な銘柄を以下にまとめた。
{参院選の焦点}
参院選が7月4日に公示され、433人が立候補した。自民、公明両党が非改選と合わせ、過半数の122議席以上を確保し、衆参両院のねじれが解消するかが焦点。非改選議席は自民50、公明9の59議席。与党が過半数の122議席に達するには63議席、自民党単独では73議席の獲得が必要となる。
また、憲法改正に前向きな自民、みんな、維新などの合計が非改選と合わせて参院の3分の2(162議席)を占め、国民に改憲を発議する環境が整うかも注目。
【焦点】
【党派別立候補者数】
{参院選の投票先予想}
読売新聞社が行った世論調査によると、6月末時点の参院比例選での投票先は、自民党42%、民主党9%、公明党6%、日本維新の会5%となった。自民党は前回調査された6月初旬時点の44%から42%と2ポイント減も1月時点から首位を維持。民主党は7%から9%と2ポイント上昇。日本維新の会は5%と横ばいになった。
{[政党別選挙公約[2544]]}
【自民党】
経済面では3年で70兆円の設備投資水準の回復など、政府の成長戦略目標を明記。法人税の減税に関しては、大胆な引き下げを実行するとの表現を踏襲した。TPPでは、交渉参加に反対との文言を削除し、国益にかなう最善の道を追求に変更。原発は再稼働に向けて一歩踏み込んだ表現となった。
一方、名目GDP目標は3%以上から10年平均で3%程度に下方修正。竹島の日の式典を「開催する」から「開催も検討」に変更した。
【民主党】
安倍政権の経済政策について、物価上昇や国債金利の乱高下など強い副作用があると批判。環境分野や農林水産業、中小企業に政策資源を集中。2030年の原発稼動ゼロや最低保障年金の創設なども掲げた。TPP交渉参加については、脱退も辞さない厳しい姿勢で臨むとした。
【日本維新の会】
衆参合併による一院制導入など国民に問いやすくする為、憲法改正の発議要件を衆参両院の3分の2以上の賛成から過半数に緩和。従軍慰安婦問題では「歴史的事実を明らかにし、日本と日本国民の尊厳を守る」と言及。経済対策としては混合診療の解禁やカジノを含む統合型リゾートの実現、法人税等の引き下げを掲げた。
【公明党】
経済面では消費税の対応や中小企業の研究開発に税額控除を拡充。原発は新規着工を認めず、可能な限り速やかに原発ゼロを目指すと明記。憲法96条の先行改正については改正の内容と共に議論するのがふさわしいと慎重な表現にとどめた。
【みんなの党】
経済面では年間4%以上の名目成長や10年間で所得5割アップを目標とする。TPPではさらに広域のFTA推進、原発は2020年代に原発ゼロを掲げ、発送電分離を実現させる。憲法96条改正については憲法改正手続の簡略化を進めるとしている。
【社民党】
経済面では、消費税増税法廃止法を制定し消費増税の撤回を求めていくことやTPP交渉参加反対、原発再稼働反対、憲法改正を阻止するため、改正の発議要件を定めた96条改正への反対を明記した。
コード | 銘柄 | 活動 |
4689 | ヤフー | ヤフーニュースでの意識調査 ブログ |
3715 | ドワンゴ | ニコニコ動画での生放送企画・配信 |
4819 | デジタルガレージ | ツイッターの公式ブログ・公式ハシュタグ |
3632 | グリー | ニコニコ動画やUstreamで配信された番組を記事で配信 |
2389 | オプト | 政党・党首の評判をSNS上のデータから指標化 |
9449 | GMO | 電子証明書発行によるなりすまし防止 |
4293 | セプテーニHD | フェイスブックでの選挙運動支援 |
争点 | 必要議席数 |
ねじれ解消 | 自民・公明両党が非改選と合わせ122議席以上を確保 |
自民・公明両党で63議席、自民単独で73議席獲得が必要 | |
憲法改正 | 自民、みんな、維新など改憲推進派で162議席以上を確保 |
政党 | 候補者数 | 選挙区 | 比例代表 | 改選 | 非改選 |
自民 | 78 | 49 | 29 | 34 | 50 |
公明 | 21 | 4 | 17 | 10 | 9 |
民主 | 55 | 35 | 20 | 44 | 42 |
みんな | 34 | 19 | 15 | 3 | 10 |
生活 | 11 | 5 | 6 | 6 | 2 |
共産 | 63 | 46 | 17 | 3 | 3 |
社民 | 9 | 5 | 4 | 2 | 2 |
みどり | 8 | 5 | 3 | 4 | 0 |
維新 | 44 | 14 | 30 | 2 | 1 |
諸派 | 83 | 62 | 21 | 2 | 0 |
無所属 | 27 | 27 | - | 5 | 1 |
政党 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月8~10日 | 6月28~30日 |
自民党 | 37% | 42% | 43% | 48% | 47% | 44% | 42% |
民主党 | 8% | 7% | 7% | 7% | 7% | 7% | 9% |
公明党 | - | - | - | - | 5% | 5% | 6% |
維新の会 | 16% | 13% | 9% | 11% | 8% | 5% | 5% |
項目 | 内容 |
経済 | 3年で70兆円の設備投資水準の回復 |
思い切った投資減税 | |
円安の影響に必要な措置検討 | |
名目GDPを10年平均で3%程度 | |
デフレ対策 | アベノミクスの「3本の矢」を推進し、デフレからの早期脱却、持続的成長へ道筋 |
TPP | 国益にかなう最善の道を追求 |
農業 | 農業・農業所得の倍増 |
原発・エネルギー | 安全と判断された原発再稼働は、国が地元自治体の理解を得る最大の努力 |
基地問題 | 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を推進 |
外交 | 竹島の日の式典「開催も検討」 |
社会保障 | 医療制度、介護制度、年金制度などについて必要な見直し |
項目 | 内容 |
経済 | アベノミクスには「強い副作用」 |
環境や健康医療、農業、中小企業に政策資源を集中 | |
TPP | 国益確保のため脱退も辞さない厳しい姿勢で臨む |
原発・エネルギー | 規制委が安全を確認したもののみ再稼働 |
2030年代に原発稼動ゼロ | |
憲法 | 「未来志向」の憲法を構想。96条先行改正に反対 |
社会保障 | 公的年金制度の一元化、最低保障年金の創設 |
項目 | 内容 |
経済 | 保険診療と保険外診療を併用できる混合診療解禁 |
カジノを含む統合型リゾートの実現 | |
所得税、法人税の引き下げ | |
TPP | 攻めの交渉で国益を勝ち取る |
農業 | 農地法改正による企業参入の促進 |
原発・エネルギー | 発送電分離を早期に実現 |
原発は2030年までにフェードアウト | |
憲法改正 | 96条先行改正。憲法改正の発議要件を衆参両院の3分の2以上の賛成から過半数に緩和 |
外交 | 慰安婦問題について歴史的事実を明らかにし、日本国及び日本国民の尊厳と名誉を守る |
集団的自衛権行使に関する法整備 |
項目 | 内容 |
経済 | 消費税への対応「8%引き上げ段階で簡素な給与措置」「10%段階で食料品などへの軽減税率導入を目指す」 |
中小企業による成長分野での研究開発に税額控除拡充 | |
デフレ下の10年で減った平均給与10%分を回復 | |
原発・エネルギー | 新規着工を認めず、可能な限り速やかに原発ゼロを目指す |
憲法改正 | 改正の内容と共に議論するのがふさわしい |
項目 | 内容 |
経済 | 年間4%以上の名目成長。10年間で所得5割アップを目標 |
TPP | TPPのみならずFTAなど広域FTAを推進 |
原発・エネルギー | 2020年代に原発ゼロ |
発送電分離を実現。発電、小売りを完全自由化 | |
憲法改正 | 憲法改正手続の簡略化を進める |
公務員改革 | 国会議員の数を大幅に減らし、給与をカット |
項目 | 内容 |
経済 | 消費税増税法廃止法を制定 |
最低賃金時給1000円を目指す | |
TPP | 日米平行協議を打ち切り。株式会社の農業参入自由化に反対 |
原発・エネルギー | 脱原発基本法を制定し、リスクの高い原発から順次廃止 |
基地問題 | 米軍普天間飛行場の県外・国外移設 |
憲法改正 | 96条改正への反対を明記 |