安倍政権は参院選の日程を7月4日に公示、21日投開票とする方針を固めた。2013年6月24日、安倍首相と公明党の山口代表が通常国会の会期を延長しないことを確認。会期の延長がなければ7月21日の投開票が決定する。各政党の主張を整理するため、以下に政党別の参院選公約をまとめた。
{[自民党[2542]]}
経済面では3年で70兆円の設備投資水準の回復など、政府の成長戦略目標を明記。法人税の減税に関しては、大胆な引き下げを実行するとの表現を踏襲した。TPPでは、交渉参加に反対との文言を削除し、国益にかなう最善の道を追求に変更。原発は再稼働に向けて一歩踏み込んだ表現となった。
一方、名目GDP目標は3%以上から10年平均で3%程度に下方修正。竹島の日の式典を「開催する」から「開催も検討」に変更した。
{民主党}
安倍政権の経済政策について、物価上昇や国債金利の乱高下など強い副作用があると批判。環境分野や農林水産業、中小企業に政策資源を集中。2030年の原発稼動ゼロや最低保障年金の創設なども掲げた。TPP交渉参加については、脱退も辞さない厳しい姿勢で臨むとした。
{日本維新の会}
衆参合併による一院制導入など国民に問いやすくする為、憲法改正の発議要件を衆参両院の3分の2以上の賛成から過半数に緩和。従軍慰安婦問題では「歴史的事実を明らかにし、日本と日本国民の尊厳を守る」と言及。経済対策としては混合診療の解禁やカジノを含む統合型リゾートの実現、法人税等の引き下げを掲げた。
{公明党}
経済面では消費税の対応や中小企業の研究開発に税額控除を拡充。原発は新規着工を認めず、可能な限り速やかに原発ゼロを目指すと明記。憲法96条の先行改正については改正の内容と共に議論するのがふさわしいと慎重な表現にとどめた。
{みんなの党}
経済面では年間4%以上の名目成長や10年間で所得5割アップを目標とする。TPPではさらに広域のFTA推進、原発は2020年代に原発ゼロを掲げ、発送電分離を実現させる。憲法96条改正については憲法改正手続の簡略化を進めるとしている。
{[社民党[2543]]}
経済面では、消費税増税法廃止法を制定し消費増税の撤回を求めていくことやTPP交渉参加反対、原発再稼働反対、憲法改正を阻止するため、改正の発議要件を定めた96条改正への反対を明記した。
項目 | 内容 |
経済 | 3年で70兆円の設備投資水準の回復 |
思い切った投資減税 | |
円安の影響に必要な措置検討 | |
名目GDPを10年平均で3%程度 | |
デフレ対策 | アベノミクスの「3本の矢」を推進し、デフレからの早期脱却、持続的成長へ道筋 |
TPP | 国益にかなう最善の道を追求 |
農業 | 農業・農業所得の倍増 |
原発・エネルギー | 安全と判断された原発再稼働は、国が地元自治体の理解を得る最大の努力 |
基地問題 | 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を推進 |
外交 | 竹島の日の式典「開催も検討」 |
社会保障 | 医療制度、介護制度、年金制度などについて必要な見直し |
項目 | 内容 |
経済 | アベノミクスには「強い副作用」 |
環境や健康医療、農業、中小企業に政策資源を集中 | |
TPP | 国益確保のため脱退も辞さない厳しい姿勢で臨む |
原発・エネルギー | 規制委が安全を確認したもののみ再稼働 |
2030年代に原発稼動ゼロ | |
憲法 | 「未来志向」の憲法を構想。96条先行改正に反対 |
社会保障 | 公的年金制度の一元化、最低保障年金の創設 |
項目 | 内容 |
経済 | 保険診療と保険外診療を併用できる混合診療解禁 |
カジノを含む統合型リゾートの実現 | |
所得税、法人税の引き下げ | |
TPP | 攻めの交渉で国益を勝ち取る |
農業 | 農地法改正による企業参入の促進 |
原発・エネルギー | 発送電分離を早期に実現 |
原発は2030年までにフェードアウト | |
憲法改正 | 96条先行改正。憲法改正の発議要件を衆参両院の3分の2以上の賛成から過半数に緩和 |
外交 | 慰安婦問題について歴史的事実を明らかにし、日本国及び日本国民の尊厳と名誉を守る |
集団的自衛権行使に関する法整備 |
項目 | 内容 |
経済 | 消費税への対応「8%引き上げ段階で簡素な給与措置」「10%段階で食料品などへの軽減税率導入を目指す」 |
中小企業による成長分野での研究開発に税額控除拡充 | |
デフレ下の10年で減った平均給与10%分を回復 | |
原発・エネルギー | 新規着工を認めず、可能な限り速やかに原発ゼロを目指す |
憲法改正 | 改正の内容と共に議論するのがふさわしい |
項目 | 内容 |
経済 | 年間4%以上の名目成長。10年間で所得5割アップを目標 |
TPP | TPPのみならずFTAなど広域FTAを推進 |
原発・エネルギー | 2020年代に原発ゼロ |
発送電分離を実現。発電、小売りを完全自由化 | |
憲法改正 | 憲法改正手続の簡略化を進める |
公務員改革 | 国会議員の数を大幅に減らし、給与をカット |
項目 | 内容 |
経済 | 消費税増税法廃止法を制定 |
最低賃金時給1000円を目指す | |
TPP | 日米平行協議を打ち切り。株式会社の農業参入自由化に反対 |
原発・エネルギー | 脱原発基本法を制定し、リスクの高い原発から順次廃止 |
基地問題 | 米軍普天間飛行場の県外・国外移設 |
憲法改正 | 96条改正への反対を明記 |