ジャパンディスプレイは、2016年3月16日、構造改革を実施すると発表した。国内前行程では、スマートフォン向けの高精細液晶パネルを生産する旧式の量産ラインを停止。中国の後工程では、3つの工場を2016年内に1カ所に集約。減損処理など、構造改革に伴う特別損失約140億円を2016年3月期に計上する。

生産効率の高い大型基板に対応した最新設備の稼働率を向上。損益分岐点を引き下げ、競合する韓国メーカーに対抗する。

ジャパンディスプレイは、構造改革で年間約170億円の固定費削減効果を見込む。構造改革で生み出す資金は、車載向けや有機ELに充当するもよう。


構造改革

項目 内容
特別損失 ▲140億円
効果 年170億円の固定費削減
計上 2015年度


【ジャパンディスプレイの業績推移】

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2016年4-6月 1743億円 ▲142億円 ▲117億円 3488億円 8833億円 39.2%
2015年 9891億円 167億円 ▲318億円 3652億円 8138億円 44.6%
2014年 7693億円 18億円 ▲122億円 4026億円 8316億円 48.2%
2013年 6145億円 190億円 339億円 4051億円 7589億円 53.3%
2012年 1651億円 85億円 35億円 ▲34億円 1150億円 ▲3%


車載向けと有機ELの計画

米国の車載用パネル市場でシェア30%を目指す。2018年頃に発売される新型車のカーナビやメーター機器用に液晶が搭載される見通し。通常のパネルより消費電力を99%削減できる特殊な液晶パネルの用途を拡大。電子看板や各種計測器などの分野も開拓し、年間売上高を2020年に1000億円規模にする計画。

有機ELは、2014年春からスマートフォン向け有機ELパネルの試作を開始。石川県の工場に200億円を投資。材料や生産技術を検証し、2018年に量産を開始する計画。

項目 内容
車載向け 2018年頃に新型車のカーナビやメーター機器用に液晶が搭載
有機EL 2018年に量産を開始

 

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