内閣府宇宙政策委員会は、2013年9月19日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が提示した今後の宇宙科学の研究の進め方におけるロードマップを了承し、新型小型ロケット「イプシロン」を使って科学衛星を2年に1度打ち上げていく方針を発表した。 イプシロンとはJAXAとIHIエアロスペースが開発した小型人工衛星打ち上げ用個体ロケットで、2013年9月14日に打ち上げが成功し、惑星観測衛星を予定通り軌道に乗せた。イプシロンはこれまで100人規模で行っていた点検作業を2台のパソコンで処理し、打ち上げ準備を大幅に短縮。打ち上げコストは今回打ち上げた初号機は53億円だが、2号機以降は38億円、量産に入る2017年以降は30億円以下を目指している。コスト削減が進められることで、低コストで衛星の開発と打ち上げが実現できる。 宇宙探索で最先端の科学成果を出すため、関連研究費を年間で従来の210億円から230億円に増額する方針。また、主力ロケット「H2A」に乗るより大きな衛星のプロジェクトは10年に3機程度、海外の研究機関などと連携し、年間10億円程度かける小規模なプロジェクトも多数見込まれている。 {イプシロン関連銘柄}
コード 企業 内容
7013 IHI IHIエアロスペースが「イプシロン」を生産
2012年に超小型衛星・衛星搭載カメラを生産する明星電気を買収
7012 川崎重工業 先端部で衛星を覆う「フェアリング」
6701 NEC 計測通信系機器
惑星分光観測衛星SPRINT-A
7011 三菱重工業 ガスジェット装置
6302 住友重機械工業 惑星を観測するための宇宙望遠鏡