名古屋大学の松尾拓也助教ら研究チームは、バイオ燃料の供給源として期待されている緑藻の体内時計の時刻合わせのメカニズムの一端を解明した。緑藻の活動を人為的に制御できる可能性を示す成果で、バイオ燃料生産の効率化につながると期待される。
緑藻は日照時間の変化に合わせて活動期を調整する体内時計を持っている。これまでの研究では、緑藻には体内時計を構成する6つの遺伝子があることがわかっていた。研究チームはこの6遺伝子にホタルの発光遺伝子を人工的に融合した遺伝子を作製。時計遺伝子の働きに応じて発する光を分析した。
光が当たる際に、遺伝子が作る時計タンパク質の1つ「ROC15」が急速に分解され、分解には「ROC114」という別の時計タンパク質が関係していることがわかった。逆に暗くなると、緑藻の体内でROC15が生成されていた。
遺伝子を欠損させてROC15ができなくなった緑藻は、日照時間の変化にかかわらず活動期が一定のままで、体内時計を調整する機能が働かないことがわかった。